
今回はブランディング論の大家と呼ばれるデービッド・アーカーの講演について、まとめてみました。
目次
デービッド・アーカー氏の講演「ポストコロナ時代に勝つ」メモ
講演サマリー
ポストコロナ時代に勝つ
New Winning in a Post Coronavirus Worldコロナによって加速した5つのトレンドに焦点をあて、具体的な例を示して解説します。これらのトレンドが社会にとって重要であることを分析します。
-ワールドマーケティングサミットオンライン デービッド・アーカー氏のスピーカー紹介ページより
講演「ポストコロナ時代に勝つ」メモ
コロナによって加速した5つのトレンド
1.Meaningful work
収入を得るだけでなく、仕事に意味を見出す。
2.Inequaility
不公平をなくす。
3.Social Needs
社会の必要
4.Authenticity
本物ということ
5.Dynamic Markets
マーケットが動的マーケット。変化し続けており、強いリーダーシップが求められている。機敏性も必要
トレンドに対応した戦略について
①Social purpose (1.Meaningful workと2.Inequaility が対応)
社会的目的が経営価値を高める。
事例
・ユニリーバの「手洗いで命を救う」ドキュメント
・セールスフォースの1-1-1モデル
Social purpose & Programs のキーポイント
・仕事に意味を与える
・不公平をなくす
・ブランド力を向上させる
②BrandCommunity(3.Social Needsが対応)
多くの人は社会性を失っているが、重要性を再認識している。
BrandCommunityとは、互いに関わり合いを持つグループでなっている。活動や問題共通のもので結ばれている。
模範とするブランドのWEBサイトを中心に持っている。
事例1 Etsy 手芸品・工芸品を趣味の人をつなげる。グローバルマーケットプレイス。
事例2 SEPHORA ビューティインサイダーコミュニティ。実際に10代の女性が多く集まっている。
Social Needsのキーポイント
・同じ趣向を持つ人たちとつながる
・グループ(アイデンティティ)に帰属している意識をもたせる
・ブランドに力を与え、強化し、顧客の忠誠心を固める。
③Signature Stories(4.Authenticityが対応)
ほんものとは、ストーリーが大切。
ストーリがあることで、注意を惹き、人の認識を変え、好印象をつくり、信憑性を与える。
どんなストーリーでもいいわけではない
・Wowといわせるもの。
・戦略性を持たせたストーリー
・それが虚偽に見えないもの
事例1 Haier
不良品をもってきて、すぐに変えようとするも、7割が不良品だった。そこでマネージャーはスレッジハンマーで全不良品を破壊した。
これが伝説的ストーリーとして会社の指針として大切にされている
事例2 uchealth
コロナド州のヘルスケア企業 患者のストーリーを大切にしている。
Signature Storiesのキーポイント
・注意をひくものでなければならない。
・ブランドをつくるもの出なければならない。好印象をあたえるものでなければならない
・信憑性があるものでなければならない
④Brand Leadership(5.Dynamic Marketsに対応する)
動的マーケットに対応せねばならない。そのためにゲームチェンジャーと呼ばれるサブカテゴリに注目すべき。
すこしずつイノベーションを積み上げていくのは通じない。大きく変えるイノベーションが必要。
競争のスピードは広がっている。サブカテゴリのなかで勝つために必要なことは、なくてはならないものをつくりだす。
事例
・SalesforceやAmazon
・Dollar Shave Club 90秒のビデオが有名
こちら↓
Dynamic Marketsのキーポイント
・顧客の行動を変えるサブカテゴリーをつくること。模範となるブランドをつくる。
・障壁を築く。(なくてはならない)ブランドに付随するイノベーション。
この講演の活かし方
業務で活かす場合
4つの戦略のなかで、自社および支援先にFITするものを見極める。
4つすべてを戦略として取り入れることでかなり強い戦略になります。
自社および支援先に欠けているものはどれか?強化できるものはどれか?を見極めましょう。
コミュニケーションとして取り扱いがしやすいのは③Signature Stories。
難易度が高めなのは④Brand Leadership。
意外とマッチしづらいんじゃないのかな?と思っているのは②BrandCommunityです。
グループ(アイデンティティ)に帰属している意識をもたせるという点が難しそう。
プライベートで活かす場合
転職もしくは投資先の企業選びの軸として
取り入れている会社はこれから伸びていく可能性がかなり高いはず。
伸びていく可能性が高いということは、事業を伸ばすはずなので求人も出やすいはず。
また、伸びていく可能性ということはプロから見ても成長株だと思うので、
勝ち馬に乗りたい場合は、ぜひ押さえてておきましょう。
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マーケティングスキルを伸ばすための独学の下地に
このキーワードや戦略があてはまりそうな身近な会社を探してみるのはいかがでしょうか?
上で上げられた企業と比較することで、実はすごい点やすこし惜しい点が見つかるかもしれません
権威の方がおっしゃられている話は多くのマーケターはキャッチアップしているので常識になりますが、一目置かれにくいです。
もし、一目置かれようとするならば、自分なりのそのキーワードに対する事例としていくつかストックしておくのがおススメです。
そうすると、例えば転職活動で「最近注目のキャンペーンはありますか?」みたいなマーケティングの質問をされたとき、
回答として「デービットアーカーが最近のトレンドに対応するという戦略の○○の海外事例や同じようなことを日本でされている☓☓を注目しています。なぜなら…」
みたいな形でプラスアルファを加えて、自分なりの視点で話すことができます。
自分なりの視点で話ができるというのは、転職活動の際の大事な要素だと思っています。
なぜなら、その話を通して面接官は会社や配属予定先の部署や人とのFIT感を見るはずなので。
マーケティング志向が強い企業であれば、そういうプラスアルファな視点はきっと評価されます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回は以上です。
あなたの明日が今日よりますますよくなりますように。